3話 積極的になった彼

前回来た時は、彼はアマゾンで購入した

OL風制服が入った段ボールを右脇に抱え、

左手には自分の仕事着を入れた紙袋を下げて

スタスタとさちこの前を歩いていたことを
思い出した。

今日は少しの距離でもさちこの手を取り
足並みを揃えて歩いている彼に
二人の関係の進展を感じた。

部屋を選択するパネルの前に着いた。

「この前どれだったっけ?」

「えー、これじゃない?テラス付いてたし。」

「どれにする?」

「どれでもいいよ。」

「テラスある方がいいよね。」

「そうだね。
こないだの部屋広くて綺麗だったし。」

「これは?」

「これいいけど、さらに広いんじゃない?

こないだのと同じくらいで十分だよ。」

彼が示したのは
2万円弱する最高ランクのスイートルームだった。

せいぜい2、3時間しか滞在しないのに

もったいないとさちこは思った。

1ヶ月に一度のデートとはいえ、

妻子持ちの若い会社員の男には

荷が重すぎるのではないかと思ったからである。

それでもこのホテルは巷のラブホテルよりは

平均価格帯が高めで、

さちこが推した中ランクの部屋でも

平日の休憩タイムで1万円だった。

エレベーターに乗ると
彼はマスクを顎下にずらしてさちこを見た。

さちこもマスクをずらすと彼が勢いよく

唇を押しつけてきた。

(きっとこの前<いっぱいチューしようね>って

ラインしたからかな。)

さちこはクスッと照れ笑いをし、正面を向くと

エレベーターのドアが開いた。

彼が扉を開けてさちこに先に入るよう促した。

「どうぞ。」

「ありがとう。」

さちこは先に部屋に足を踏み入れたものの

靴を脱ぐスペースが狭いので

スリッパに被せられた「消毒済」の紙を

回収しながら言った。

「先上がって。私ブーツ脱ぐの時間かかるから。」

「うん。」

彼は靴を脱ぐと自分の靴を揃えて

壁際に踵を向けて置いた。

そしてスリッパを履いて部屋に上がった。

さちこはそれを見ていたく感動した。

これまで一緒にホテルに入った男の中で

<脱いだ靴の踵を壁際に向けて揃えて置く>

というマナー上級者を見たのが
初めてだったからである。

(知ってか知らずか

マナーもきちんとこなせる若きイケメン!

最高ではないか!)

さちこは脱いだ靴を彼の隣に並べて部屋に上がり、

コートをクローゼットにかけて

バッグを棚に置いた。

早速彼はさちこに抱きつきキスをした。

「トイレ行っていい?」

「うんいいよ。」

さちこはアクセサリーを外して
ポーチにしまっていると彼がトイレから出てきた。

「ここ、こないだと全く同じ部屋じゃない?」

「ぽいね〜。家具の配置とかも一緒だね。」

「テラス行こうよ。」

「うん。」
彼はさちこの手を引いてテラスに出た。

「あれ?
でもテラスは前のが広かった気もするね。」

「そだね。ちょっと違うね。」

月明かりの元、水路の合間を縫って8畳ほどある
ウッドデッキを歩いた。

中央にあるボンボンベッドの横に立つと立ち止まり
彼は積極的にさちこにキスし始めた。

彼は前回<上の階の人から見られてるかも>と

相当恥ずかしそうにしていたが

今回は別人のように周りを気にする素振りはなく
アグレッシブであった。

(きっとラインで青姦の話したからだ。)

彼はさちこの腰に手を回したかと思うと

尻を撫でまわしスカートをたくし上げた。

そのうちしゃがんでさちこを見上げながら

タイツの上から股間を弄り始めた。

さちこは彼がこのまま
どこまで進む気があるのかわからず

少し戸惑った表情で彼を見つめていた。

彼はさちこの目を見ながらタイツを下げて

パンティのクロッチ部分を人差し指で撫で始めた。

さちこは不思議とまだ濡れていなかった。

彼は更にパンティをずらして

指を外陰の割れ目に差し込んで豆を探っていた。

そこまでされるとさちこもようやく濡れ始めた。

彼は少しさちこの豆を舌でぺろぺろと刺激した。

夜空の元、
パンティをずり下されて突っ立ったまま

クンニされるシチュエーションは
かなり刺激的だった。

こちらをを見上げながらペロペロするイケメンに

視覚的には興奮したが
感覚的にはそんなに気持ちよくなかった。

彼が立ち上がると

さちこは彼のベルトに手をかけた。

今日はうまくベルトを外すことができなくて

彼が自分でズボンを下ろした。

さちこは彼のブリーフを下にずらして

相変わらず真っ直ぐにいきり立った竿の先端を

少し指で撫でてから自分の下腹で摩った。

そして彼と抱き合いながら見つめ合いながら
何度も何度もキスをした。

「お風呂入ろっか。」

「うん。」

テラスから部屋に戻って湯を貯めた。

マッチングアプリの最新記事8件