2話 コスプレしたがる男

数日後、彼にラインした。 

「ねえ、来週か再来週前半会わない?」 

「オッケー。予定確認するね。」 

「わーい。ありがとう。 

ちなみに来週は水曜希望です。 

再来週は生理が来るかもしれないから 

月曜か火曜がいいな。」 

「来週の水曜オッケーだよ。」 

「ありがとう。 

じゃあ来週水曜18時頃こないだのところでいいかな? 

そっちの近所まで行った方がよければ 

行くからまた教えてね。」 

「場所決まったらまた連絡するよ。」 

「オッケー。ありがとう。」 

彼がラブホテルのURLを送ってきた。 

「ここに行こう。」 

URLにアクセスしてhpを閲覧した。 

「探してくれてありがとう。 

すごい綺麗そうなところだね。 

家からも近いし、うんそこに行こう!」 

「いつものところにお迎えに行くね。」 

「うんありがとう。」 

今度はAmazonのコスプレの商品ページのURLも

送ってきた。 

OLと医者のコスプレの衣装だった。 

「買ってもいい?」 

「いいよ。」 

「やった。」 

「似合うかな?将生の白衣もいいね。」 

「似合うよ。 

ご要望があればなんでも着るよ。」 

「ありがとう。 将生は何着ても似合うもんね。 

ワイシャツ姿が見たいな。 

上司とOLの設定でしよっか?」 

「いいね。スーツで行くね。」 

「わーい。わくわく。ありがとう。」 

当日の朝、さちこからラインした。 

「おはよう。今日はよろしくお願いします。」 

「18時半ごろになるかも。また連絡するね。」 

「了解です。」 

18時前に連絡が来た。 

「渋滞してるっぽい。一応到着は18時半だよ。」 

「オッケー。ありがとう。気をつけてね。」 

さちこは自分でも鏡を見てムラムラするような 

濃いサーモンピンクの棒帯ブラウスに 

黒のタイトスカート、 

黒の薄めのタイツで出掛けた。 

道端で待っていると時間通りに彼が到着した。 

さちこは助手席のシートに座った。 

「お待たせ〜。」 

「こんばんは〜。ありがとう。」 

彼は分厚いガラスの眼鏡を外して仕舞い込んだ。 

(あんなに度のキツい眼鏡無しで運転大丈夫か?) 

いつも少し不安に思うさちこであった。 

いつものようにコートと鞄を後部座席に置いて 

シートベルトをすると彼が車を発進させた。 

さちこは右手を彼の方に伸ばすと 

彼は左手でさちこの手を握り返した。 

会っている時だけは恋人同士のように。。。 

お互いの想いが自然とこの流れになっていた。 

ただいつもと違って今日の彼は少し臭かった。 

今まで彼のことを微塵も臭いと感じたことがないので 

気のせいかとも思ったが 

やはりどことなくヤニ臭かった。 

(彼はタバコ吸わないはずだけどなあ。) 

「昨日接待でめっちゃ飲まされてさ。」 

「へえ。」 

(それでか。) 

「すごい触られまくった。」 

「身体を?」 

「うん。」 

「誰に?」 

「お店の人に。」 

「え?逆じゃないの?普通客が触るでしょ?」 

「いや、中国人のホステスさん達すごい積極的で。」 

「そりゃ客にしたら若い方だし、 

かっこいいからホステスさん達にもモテそうだね。」 

「うん。もう凄かった。」 

「ふーん。良かったね。笑 

もう昨日で性欲発散できたんじゃないの?笑」 

「そんなことないよ。」 

あっという間にホテルの駐車場に着いた。 

彼は後部座席に置いていたAmazonの箱を持ち出した。 

「あーこれが例のやつ?」 

「うん。」 

「さっきコート置くとき、何の箱かと思ってたの。笑」 

「今日来る前にコンビニで受け取ったから。」 

「なるほど。そういうことか。」 

「そう家に配達はしてもらわないよ。危険でしょ。」 

「そっか。 

そういうために

コンビニ受け取りサービスがあるんだね。」 

「そう。」 

「それは何?」 

もう片方の手に持っている伊勢丹の紙袋が気になった。 

(もしかして私への誕生日プレゼント? 

な訳ないか。) 

「着替え。」 

「あーそっか。」 

(やっぱりな。) 

さちこは両手の塞がった彼の後ろをついて

ホテルに入った。 

なんか見覚えのあるホテルだった。 

1階のフロアが印象的な造りで 

初めて来た時、感動していた記憶が甦ったが 

誰と来たのかは思い出せなかった。 

受付にあるタッチパネルで彼が部屋を選んだ。 

一番安い部屋でも通常料金が高めのラブホテルだが、 

2番目に料金が高いスイートルームを選んでくれた。 

さちこは部屋に入り、コートを脱いだ。 

「今日、女教師風の格好してきたの。どう?」 

「いいねえ。コスプレじゃなくても 

それでも十分、いいねえ。」 

「好き?」 

「うん。好き。 

スカートがもうちょっと短かったら完璧。」 

「スカートはこれ以上短いと

仕事に着て行けないから。」 

「そっか。」 

彼は少しムラムラした様子でさちこに抱きついて 

胸やら尻を触り始めた。 

部屋は前回来た時と同じホテルとは

思えぬほど広かった。 

ガラス張りの壁の向こうにデッキが見えた。 

「ねえ、この部屋テラスがあるの? 

もしかして外に出れるのかなあ?」 

さちこは彼の手を引いて部屋の奥に進んだ。 

15畳はありそうな水路付きの広いテラスがあり 

ボンボンベッドが2つ並べておいてあった。 

二人は外に出た。 

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