5話 立ちバックを気に入った男
彼は竿だけでなく指も長く素晴らしい手マンで
さちこを何度も中いきさせた。
「じゃあ立ちバックしよ。」
彼は嬉しそうにさちこの手を引いて鏡の前に立った。

彼との場合はバックよりも立ちバックの方が角度的にか、
子宮を圧迫されなくて気持ちよかった。
「さっちゃん、いきそう。」
「うん。私もいきそう。」
「いく?一緒にいく?」
「うん。」
「いけそう?」
「うん。いく。」
「いくよ。」
「あん、あん、あん、あん、
あ〜〜〜〜〜〜いってる〜〜〜」
<一緒にいく?>と聞かれて、いけそうというか、
すでにいってる状態で聞かれることも初めてだった。
「さっちゃん、しばらくそのまま姿勢変えないで。
まだ抜きたくない。」
「うん。」

さちこは彼が出しきるのを待ってあげた。
彼は念願の立ちバックでいけたことに
大変満足そうだった。
「ねえ、さっきの気持ちよかった?」
「うん。すごい気持ちよかった。
もう大竹君すごいんだもん。びっくりしちゃった。」
「さっちゃんがそんなに言うから。
僕もそんなに言われたの初めて。」
「そうなの?でも大きいってよく言われるでしょ?」
「そんな言われないよ。
さっちゃんだけだよ。そんなに言うの。」
「そう?」
「だいたいあんまりそういうオープンな話しないでしょ。
普通。」
「するよ。」
「しないよ。」
「あっそう。」
「だから良かったのかもしれない。
普通初めての時は
男は緊張するから勃たないこともあるし。
初めての人と2回いけるなんか思わなかった。」
「そうなの〜?よかったじゃん。いけて。
今まで私の前で勃たなかったのは旦那だけだわ。笑」
「でも俺、さっちゃんがノーマルな人で良かった。」
「言ったでしょ?私ノーマルだって。」
「だって前話してた時すごいこと言ってたから。
もしかしたらとんでもない人かと思って
正直ちょっとビビってたの。」
「どういう人だと思ってたの?」
「俺の上に乗っかって、
もう出るからどいて〜って言ってるのに
どいてくれないで あ〜〜〜って
搾り取られるみたいなのよくAVであるじゃん。」
「あ〜あういうのが嫌なの?」
「嫌じゃん。やめて〜って言ってるのに
ぶお〜って腰振られて搾り取られるみたいなの。」
「ふーん。笑」
「俺Sだからさ。」
「え?Sなの?」
(あれ?こいつもまたS宣言か。笑
奉仕型のMとしか思えないが。)
「そう攻めるのが好きなの。されるより。」
「そうなんだ。だからさっきフェラしてる時、
もういいって言ったの?」
「いやフェラは好きだよ。」
「そうなの?じゃあなんでもういいよって言ったの?
気持ちよくなかった?」
「正直に言うと、
ちょっと歯が当たって痛かったから。」
「そっか。」
さちこは急に悲しくなった。

さちこは口が小さいのに前歯が大きい。
よってものすごくフェラには不向きな口である。
しかしそのコンプレックスを克服しようと
これまで相手にその都度ヒヤリングし、研究し、
ようやく技術が身についてきたと
思っていたからであった。
細い相手なら
難なく気持ちよくさせることはできるが、
太い相手となるとやはり歯が当たるのではと
こちらも気を遣う。
本命の元彼は極太であったが、回を重ねるごとに
どこをどうして欲しいか細かくヒヤリングすることで
気持ちよくさせてあげていたと思っていた。
実際そうかもしれない。いや、そうであって欲しい。
でも元彼は優しいから一言もそんなことは言わず
そんな素振りも見せなかったが、
「男は視覚で感じるだけだから
フェラはそんなに長くしなくてもいいんだよ。」
といつも言っていたことを思い出した。
それが遠回しに
「歯が当たって痛いから舐めないでくれ。」
という意味だったとしたら、
と思えてきて悲しくなったのであった。
急に静かになったさちこに彼は気づいた。
「あれ?さっちゃんどうしたの?眠いの?」
「ううん。」
「なんか急に静かになったね。」
「うん。。。さっき言われたのがショックで。」
「やっぱそうか。ショックなんか受けなくていいよ。
さっちゃんはお口が小さいんだから仕方ないよ。
さっちゃんが悪いんじゃないよ。
俺、口の大きい女なんか嫌だもん。」
「うん。大竹君のせいじゃないよ。
大竹君は正直に言ってくれて感謝してる。
ありがとう。
でも私、歯が大きいのコンプレックスだから
やっぱりそうだったんだって。
ごめんね。
ちゃんと気持ちよくさせてあげれなくて。」
「さっちゃんは気にしないでいいの。
俺舐められるより舐める方が好き
って言ってるでしょ。」
「うん。」
「それにさっちゃんは後頭部も小さくていいよね。
俺頭小さい人好き。」
「そうなの?
なんか脳みそ少ないって言われてるみたい。笑」
「そんなことないよ。
キスする時こうやって後頭部持つじゃん。
その時手に収まらなかったら嫌だもん。」
「そんな頭でかい人いるの?」
「いるよ。だからさっちゃんの頭小さくて良かった。」
「そっか。ありがとう。」
「それにさっきも言った通り、さっちゃんは無臭だし、
鼻の穴も綺麗。だから何も気にしなくていいんだよ。」
「うん、ありがとう。」
彼が一生懸命フォローしてくれているのは
嬉しかったが、
さっきまでの楽しいセックスの結末とは
思えぬくらいさちこのテンションは下がりきっていた。
「そろそろ帰る時間だね。」
「そうだね。帰ろうか。」
「うん。」
さちこはシャワーを浴びた。
下着をつけると彼が抱きついてきた。

「可愛いところしまったの?笑」
「うん。」
彼は一生懸命さちこのご機嫌を取ろうとしていたが、
さちこは無口なままだった。