2話 小三から手マンをしていた男

日曜日は近所の主要駅で待ち合わせした。

彼はランチのお店を考えてくれていたらしく、

ハンバーグが有名なお店に案内してくれた。

前回カフェで端数を要求してきた男は

1人2000円のランチを奢ってくれるのだろうか?

食べ終わってから恐る恐る財布を出した。

「いいよ。」

「ありがとう。ごちそうさまです。」

こないだのは気のせいだったのか、少し安心した。

食べた後、暑いので駅のショッピングモールで

ウィンドウショッピングすることになった。

喉も渇いたし、カフェで休憩したかったが、

フロアの大きなソファを見つけたので

そこに座って話しこんでいた。

この後どこか行きたいところはあるかと聞かれ、

さちこは前から行ってみたかった

徒歩圏内の大きな公園に行きたいと答えた。

「じゃあ甘い物でも買って公園で食べよう。」

「うん。」

デパ地下のスイーツ売り場に行った。

いろんなお店を見て回るが、

全くムラムラもドキドキもしなかった。

フルーツサンド専門店の前を通りかかった。

「俺、フルーツサンド食べたことないの?」

「え?ないの?」

「うん、美味しい?」

「うん、美味しいよ。私大好き。」

「じゃあフルーツサンドにしよっか。」

「そうだね。」

カウンターの前に立った。

「さっちゃん、食べたいのある?」

「どれも美味しそうだね。これかなあ。」

「俺、これにも惹かれる。」

さちこと彼の分と2つ買うのかと思いきや、

1つを半分こするつもりだったようで

どちらにするか相当迷っていた。

「じゃあそれにしたら。

食べたことないんだから譲るよ。」

フルーツサンドにしては安めの価格設定の店で

いつもは倍の値段のものでも

旦那にリクエストすれば惜しみなく

買ってきてもらえる身分に

彼がかわいそうに思えた。

これがキュンキュンする相手ならば

「私が出すよ」となるのであろうが。。。

高身長好きなさちこにとっては

そこまでキュンキュンする相手ではなかった。

100歩譲って、

確かにハンバーグランチを食べてまだそこまで

お腹は空いていないからかもしれないが、

彼は飲み物さえ買わなかった。

公園に着き、ベンチでさもしく

フルーツサンドを分け合って食べた。

さちこはいつも常備しているミネラルウォーターを

カバンの中から出して飲んでいた。

元々ペットボトルを男と共有するのが苦手なさちこは

<ちょっとくれ>と言われないよう必死で

いやいやオーラを振りまいていた。

食べ終わった後、

お目当ての国定公園まで歩いたが

このご時世で閉鎖されていたので駅に戻った。

駅前の広場のベンチに座って話していると

彼は意を決したように

<この後うちに来ないか?>と言い出した。

「行かない。」

「じゃあ次来る?」

「何それ?」

「さっちゃんの髪触りたいし、手も触りたい。」

「年相応なのに興味あるの?」

「あるよ。」

「じゃあさ、

ふとしのアピールポイントは何か言って。」

「アピール?。。。。。」

「長いとか太いとか硬いとか。。。」

「そんな大したことないよ。」

「そうなの?立派そうな顔してるのにね。

でも剥けてるよねえ?」

「剥けてるって?」

「仮性包茎じゃないでしょ?全剥けでしょ?」

「うん。」

「やっぱりね。次男?」

「うん。関係あるの?」

「うん。私の統計学によると

次男は剥けてる確率が高いから。

まあ顔が剥け顔だから

あえて聞かなかったんだけど。」

「剥け顔って初めて言われた。笑

さっちゃん面白いね。」

「剥け顔は私が作った言葉だからね。笑」

「剥けてる方がいいの?」

「そりゃそうよ。私、火星人はNGだから。」

「良かった。」

「初エッチはいつ?」

「高校ぐらい。」

「ふーん。おナニーは?」

「小学校かな。」

「ふーん。」

(やっぱり!あのおナニー理論、

<おナニーが早くからしている子は身長が伸びない>

っていうの当たってるわ!)

「でも俺、初めて女の子の触ったのは小学3年。」

「は?小3で手マンしてたの?」

「うん。」

「相手は?先生?」

「いや、同級生。」

「すごいオマセさんだね。

じゃあその子とそれ以上進まなかったの?」

「うん。その子とはその後、高校の時また再会して

結局やるんだけど、

中学校の時は別の子と付き合ってて、

真面目な付き合いだから中学の時は何もなかった。

「ふーん。面白いね。」

「小3で手マンって、

どういう経緯でやろうってなるの?」

「まあ彼女だったから、

<ちょっと触ってみる?>みたいな感じだよ。

子供だし、気持ちいいぐらいなもんで、

そんないくとかないよ。」

「へえー衝撃だわ!

それすごいアピールポイントじゃない。笑」

「そう?」

「だって、小3から手マンしてもう30年以上でしょ?

相当なテクニック編み出してるんじゃないの?笑」

「そんなことないよ。笑」

「で、持久力はどうなの?」

「そんなないかも。」

「え?早漏なの?」

「早い方かも。」

「じゃあ復活力は?」

「そんなないよ。」

「じゃあ1回で何回やるの?」

「1回でしょ?え?2回やるの?」

「3回くらいはねえ。だって同い年でしょ?」

「そんなのやったことない。自信ないわ。」

「じゃあダメだねえ。

だって早漏なのに復活力もなかったら

私満足できないじゃん。」

「じゃあ2回は頑張る。」

「できるの?」

「うん、できると思う。」

「じゃあ今日から自主練したほうがいいね。」

「うん。」

そんな話を白昼堂々と

若いカップルの横で大きな声で話していた。

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